冬の北海道を楽しんでみたい!そのような声をたくさん聞くようになりました。
北海道の冬、特に道東の冬はマイナス15度以上を超える厳しい寒さがある一方で、非日常の素晴らしい景色を観ることができます。私も本州からの移住者で、道東の冬景色に魅せられた一人なので、ぜひ皆様にもキャンピングカーで冬景色を楽しんでほしいと考えています。
今回は意外と知らない、北海道の冬道の運転についてお話していきます。
冬道運転は経験だけでなく知識や情報も大切
正直に言いますと、冬の運転は夏と比べて危ない場面が多いです。
圧雪アイスバーン・ブラックアイスバーン・地吹雪など夏以上にドライバーに様々な判断を求める場面が多くなります。冬道の知識が無かったり、運転経験が少ない場合には、より危険です。
では、冬道運転の危険度を下げる方法とは何でしょうか?2点あります。
- 北海道での冬道運転の事前の知識を学ぶこと
- 前日までに気候条件の確認など済ませておくこと
これらをしっかりと行っておくことで、冬道運転の安心感度は一気に上がるのです。
「冬道の運転経験が無くてもよいのか?」と思ったかもしれませんが、冬道の運転経験は事故発生の確率を下げる要因である一方、「冬道の経験があるから安心!」と慢心してしまうことによって、むしろ危険な運転をすることもあります。冬道の運転経験者は油断しないように運転しましょう。
「普段の通勤に使っている道だから……」
「冬の運転は何十年もやっている!」
「スタッドレスタイヤは高いからギリギリまで使おう…」
というような、ちょっとした気のゆるみが過信を呼び、そして油断を生みます。このような油断から事故が起きるパターンが多いので、冬の運転は経験だけでなく、知識もとても大切です。
冬の運転初心者は「北の道ナビ」を熟読しましょう!
北海道の冬の道を運転するときには、 国立研究開発法人土木研究所 寒地土木研究所が運営する「北の道ナビ」で知識を手に入れるのが最も安心です。
「北の道ナビ」では冬場の運転で一番怖い、地吹雪の状況がリアルタイムで分かるページもあります。旅行前にご確認いただき、ブックマークをされると便利です。
「北の道ナビ 吹雪の視界情報」は冬の期間のみオープンしています。
「北の道ナビ」は北海道に住んでいる人から見ても、とても分かりやすく共感できる内容が詳しく解説されています。道東をはじめとした冬の北海道へ旅立たれる前に、事前に熟読をおすすめします。
そうすることで、初めての冬道の運転でもより安全にご旅行が楽しめるはずです。
雪道・冬道ではスピードの出し過ぎに要注意
冬の大きな事故の原因は主に、スピードの出し過ぎです。
その点、キャンピングカーは法定速度以下で走行する車両なので、普通に運転しているだけで安全走行になります。後ろに後続車が増えてくるとプレッシャーに感じるかもしれませんが、焦らずに見晴らしの良い直線道路で左ウインカーを出し減速しましょう。こうすることで、地元ドライバーはタイミング良く抜かしてくれます。
道を譲ることで、お互いに気持ちの良い運転になります。無理して速度を上げようとせずに、家族を運ぶキャンピングカーらしい安全運転であれば、冬の北海道の運転もなにも怖がることはありません。きっと、旅行も楽しいものになるでしょう。
安全運転を徹底しても、スリップによる脱輪など予期しないアクシデントが起きることがあります。その際は、自動車保険付属のロードサービスをご利用下さい。お客様がJAF会員ならば、より手厚いロードサービスが受けられる保険です。
キャンピングカーの雪道に強い点
当店の保有車両は複数ありますが、雪道で使う際におススメしているのが、レガードです。
老舗のビルダー、YOKOHAMA MOTOR SALES社製のキャンピングカーで、低重心、前後のタイヤ距離を長くカスタマイズしているため、安定感のある走行を実現してくれます。フルタイム4WDですので、特別な操作は一切必要なく常時4WD走行になります。乾燥路面・濡れた路面・積雪路面のいずれでも常に安定した走りが特徴です。
キャンピングカーは吹雪による視界不良を軽減できる
キャンピングカーは、一般車両と比べると、冬の北海道の運転で有利な面もあります。
それは運転席での目線が高いことです。一般的な車両のドライバー目線は約1.2mですが、キャンピングカーの目線は約2mと普通車より高い位置にあります。目線が高いほど、吹雪の運転時に視界への影響が少なく済みます。そのため、ドライバーにかかる負担が圧倒的に減ります。
冬の運転で一番大変なのが「前方の視界が悪くなるとき」です。普通車より高い位置にある運転席は、本当に冬の運転が楽になります。
一方で、風のあおりを受けやすいため、低速での走行は必須です。
レガードの車両情報は下記からご確認いただけます。
トイレがあれば、どこでも宿泊できる!
「天候が思ったよりも悪くなった……」という場合、冬の北海道での無理は禁物です!
ホテルを予約する宿泊型の旅行では、天候がどれだけ悪くなってもそのホテルまで向かわないと宿泊できません。悪天候の中を無理やり走るので、事故の可能性も増えますし、運転者も同乗者も相当疲れます。
キャンピングカーならば天候を考慮しつつ、宿泊先や旅行先を自由に変更できるのが強みです。安全安心な冬の北海道旅行が楽しめるでしょう。
キャンピングカーで移動する場合、トイレ付きの宿泊地が必須です。道内各地にある「道の駅」のような場所が一番安心でき、お勧めです。
ただ、吹雪などで「先にある道の駅などに向かうのが危ない……」と少しでも感じたら最寄りのコンビニや温泉施設、商業施設に駐車して宿泊して下さい。
店員さんなどに事情を説明すれば、冬の北海道の危なさを理解している地元の方であれば快く宿泊を承諾して頂けます。どうか、無理だけはしないようお願いします。
キャンピングカー内なら、外気-20℃でも快適に眠れます
「夏に使うもの」というイメージがあるキャンピングカーですが、真冬でも普通に、そして快適に使えます。
日本一寒い町陸別町の真冬のマイナス25度の日にもレガードで車中泊をしたことがあるのですが、一度も目が覚めることなく、快適に練ることができました。ただ、やはり寒いことは寒いので、厚手の服を準備するなど、自身が着込める服の用意は最低限お願いしています。
氷点下でも快適に過ごせる理由は「FFヒーター」が装備されているからです。FFヒーターは車両のバッテリーとは別電源を利用しているので、エンジンを停めたまま利用してもバッテリー上がりの心配はありません。
一晩中FFヒーターを入れていても、ガソリン目盛りが一山も減ることはありません。また、FFヒーターなので外気を導入して燃焼し、排気は外気として出る仕組みなので、室内の空気は汚れることがありません。車内も暖かく快適に過ごせます。
できるだけ暖かい室内で眠りたいときの裏技とは……!?
寒さを感じる基準は人それぞれですし、野外でキャンプなどしたことが無い方にとっては、寒く感じることもあるかもしれません。その場合に暖かく過ごすための裏技をお伝えします。
まず、キャンピングカーの室内の中でも最も暖かい場所は、二段ベッド上段です。暑くて汗をかくこともあるほどなので、もし寒さが心配な方はここで就寝されるのをお勧めします。
車内をより暖かくするための仕組み
当店のキャンピングカーには、冬の寒い時期にアイドリング停車の暖房効果を高めるためのアイドルアップスイッチも装備されています。押していただくとエンジン回転数があがり、アイドリング停車時の暖房効果を上げ、より暖かくなります。
できるだけ室内を暖かくしたいときは、就寝直前までアイドリング運転を続け、エンジンの暖気とFFヒーターで室内を暖めると最も暖かい室内にできます。
アイドリング運転は迷惑になるかもしれない……とお感じの方もいると思いますが、冬の北海道では一晩中エンジンを動かしながら車内で寝ているドライバーはよくいます。
就寝前までエンジンを動かしていても、暖を取る方が重要ですので、さほど問題にはならないでしょう。
冬場のキャンピングカーの注意点
冬場のキャンピングカーのメリットをたくさんご紹介しましたが、もちろん注意すべき点やデメリットがあります。デメリットを理解して運転することで、更に安全性を高められます。しっかりと認識しておいてほしいです。
キャンピングカーは車重が重たいので、発進・加速・走行中の雪道運転はタイヤに十分なトラクションがかかり、とても安定して力強い雪道運転が可能です。逆に車重があるのでブレーキをかけて止まるときに少し不安が残ります。
特に信号のある交差点は路面の氷が磨かれ、非常に滑りやすくなります。急な赤信号や前方車両の停車でブレーキをかける必要に迫られることはよくあるので、制動距離の確保のためにも「運転速度を遅く」し、「車間距離を取る」ようにして下さい。
キャンピングカーが苦手な状況
キャンピングカーの運転イメージは、路面バスのやり方が参考になります。また、キャンピングカーが苦手な状況は、主に下記2つです。
- 雪道ならではのソロバン圧雪路:車内の振動が大きく感じる
- 雪の轍走行:ハンドルを取られることがある
このような現象が起きるのは、キャンピングカーのベース車両がトラックであることが主な理由です。どうしても後部の室内では運転席以上に、振動や揺れが大きくなる傾向があります。夏場でも路面の轍があると、キャンピングカーの揺れは大きくなります。
キャンピングカーの揺れを抑えるには?
揺れを抑える対策はやはり、安全運転の基本を守ることです。具体的には、
- 法定速度以内のスピードで走る
- 急が付く運転「急発進、急ハンドル、急ブレーキ」をしない
- 適度な休憩をとる
ということです。これらを守れれば、冬の運転のデメリットも怖くはありません。
冬の北海道・十勝の楽しみ方
Vantripの拠点となっている十勝帯広エリアは、冬の積雪が少ないです。そのため、北海道内では冬場でも比較的運転がしやすいエリアといえます。
ただし、十勝帯広エリアは雪が少ない一方で気温は非常に低く、マイナス(氷点下)20度~30度くらいになることもあります。札幌では冬にマイナス15度以上を超えることはほとんどないのとは対照的です。
冬の美しい景色を楽しむためには、マイナス15度以上が一つの目安となるので、運転もしやすく、気温も充分に低く、景色もきれいな十勝エリアでの冬の旅行は特におすすめです。
こんな景色も楽しめます
流氷のシーズンは1~3月!
冬の北海道は流氷を実際に見られるのも魅力です。1~3月の真冬の時期に限られているので、この時期にキャンピングカーで気ままに旅をするのも良いでしょう。
こちらのブログでも流氷を楽しめる知床エリアについてもご紹介しています。
キャンピングカーで旅する北海道 世界遺産知床 流氷とオジロワシの日の出撮影
Vantripはオホーツク営業所もあります。知床ガイドツアーを特別価格でご案内もしていますので、知床が初めての方にもおすすめです。
農業大国・十勝でも海鮮が食べられる!厚内漁港
帯広駅から車で1時間20分の厚内漁港(浦幌町)は十勝・帯広エリアの隠れた名所です。
十勝・帯広は豚・野菜・乳製品など、農業・酪農のイメージが強いのですが、海鮮も楽しめます。
厚内漁港に遊びに行く際も、キャンピングカーでの移動がおすすめです。詳しくはこちらの記事でご紹介しています!
他にもまだまだおすすめポイントがたくさん!
スノーシューで雪道散歩
道東のおすすめポイントはまだまだ紹介しきれません!もっと知りたい場合は、こちらのブログを参考にしてみてください。
冬に初めてキャンピングカーをレンタルされる際のポイント
当店のキャンピングカーはディーゼルエンジンの4WD車両が基本仕様です。そのため、エンジンスタート時に通常、ガソリン自動車では行わない操作をお願いしています。
ディーゼルエンジンならではの操作が必要です
ディーゼルエンジン車の場合、エンジンスタート時に下記2つの操作が必要になります。
- エンジンキーをセルモーターが発動しエンジンをスタートさせる一歩手前までキーを回す
- グローブランプ(予熱表示灯)が消えるのを待って、エンジンスタート
ディーゼルエンジンにはガソリン車にある点火プラグがありません。そのため、寒い時期はエンジンスタート前に燃料を暖め、燃えやすくする必要があります。
この2つの操作を怠ると無駄にエンジンが空回りし、故障やバッテリー上がりに繋がってしまいます。絶対に予熱表示灯が消えてから、エンジンをスタートさせて下さい。
冬場限定の禁止事項
なお、当店のキャンピングカーは、11月上旬~4月中旬までの冬期間、凍結による上下水管の破裂の恐れがあるため、水の使用を禁止しております。あらかじめご了承下さい。
Vantripならキャンピングカーに乗るのが初めての方にも丁寧にご説明します。
十勝・釧路・オホーツクエリアを旅行される際は是非Vantripをご用命ください。